蝶柄の着物は春・通年に着よう

蝶柄の着物の季節は春・通年

蝶柄の着物は春・通年に着よう
蝶は春の花々と描かれている場合は春に着るのがおすすめですが、秋草と組み合わされることも多く、単独の文様であれば通年着ることができます。

蝶柄の着物の意味

蝶柄の着物

蝶は別名「胡蝶こちょう」ともいいます。
牡丹や桜に集まって飛ぶ蝶の様子は歌舞伎や能などで胡蝶の舞として表現されました。
源氏物語の胡蝶の巻にも可憐な胡蝶が登場しています。

また中国の思想家・荘士の話「胡蝶の夢」は有名です。
荘士は夢の中で蝶になってひらひらと舞っていましたが、目が覚めて「今の自分は蝶が見ている夢なのか」と夢と現実の間をさまよう物語です。
このエピソードから、蝶は夢と結び付けられて描かれることもあります。
ちなみに蝶は中国で「ディエ」と読み、80歳を意味する言葉と同じ音のため長寿の象徴とされています。

蝶の文様は平安中期以降に、十二単の唐衣に用いられたりと有職文様に取り入れられました。
向い蝶はその1つです。

また蝶は青虫からサナギになり羽が生えた姿へと大きく変化するため、神秘的な生物、また不死のシンボルとして武家の家紋となりました。
蝶は平家ゆかりの家紋としても有名です。
特に揚羽蝶は見た目の美しさ、豪華さから紋章のモチーフになっています。
不死不滅を象徴する蝶は鋭い顔をして威厳のある姿で描かれます。

やがて桃山時代に入ると、能装束や小袖などにも文様として用いられるようになりました。
江戸時代になって文化の担い手が町人に移るようになると蝶文様はパターン化され、かわいらしく親しみやすいモチーフに変化しました。

蝶は花から花へと飛び移る移り気なものといった見方もあることから、結婚式に用いるのは注意が必要とする考え方もあります。
またサナギから蝶になる姿をおめでたいとする一方、時代や地方によっては不吉なものと捉えることもあったようです。
時代や環境によって捉え方が変化するのが蝶の柄の特徴です。

蝶柄と組み合わせることの多い着物の柄

蝶は春の花々(桜・牡丹など)だけではなく、秋草、すすき、竹などと用いられることもあります。
蝶は可愛らしい印象が強いためシャープな竹や、寂しげな風情の秋草とともに描かれると、画面が締まって見える効果もあります。
「撫子と蝶」「秋草と蝶」「菊とすすきと蝶」は江戸時代の能装束にも見られる組み合わせです。
露芝と蝶を組み合わせると道行ものの衣装になります。


桜の画像
桜柄の着物は春・通年に着よう

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秋草(あきくさ)柄の着物は夏・秋に着よう

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すすきの画像
すすき柄の着物は夏・秋に着よう

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花の着物の柄
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中嶋あや

東京女子大学・日本文学科卒業。 わたし自身、着物を着るときに「この柄、今の季節に着ていいの?」という悩みがありました。 そこで疑問に答える「着物の柄」サイトを作りました。 →管理人の詳しい紹介

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