柄の種類

吉祥文様(きっしょうもんよう)

吉祥文様
おめでたい意味のある柄(=文様)を総称して「吉祥文様」と呼びます。
代表的な文様は「四君子(しくんし=梅、竹、菊、蘭の組み合わせ)」「松竹梅(しょうちくばい)」などがあります。
中国から伝わった吉祥文様を基本に、「扇」など日本独自の文様が加わりました。

幾何学模様(きかがくもよう)

幾何学文様
ひとつの文様を規則的に繰り返した抽象的な文様を、幾何学模様といいます。

植物文様

植物文様
四季のある日本では、折々に咲く花、植物が着物の柄に取り入れられてきました。
植物の柄は単独でも用いられますが、自然文様である流水、雲、波などと組み合わされることもあります。
花が単独で写実的に描かれている場合は、花の咲く季節を半月ほど先取りして着ます。
花がデザイン化されていたり、総柄(全体に模様がある柄)になっている場合は通年着ることができます。


花の着物の柄
花の着物の柄

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動物文様

鳥・動物・昆虫文様
日本では身近にいる愛らしい動物・鳥・昆虫をデザイン化して着物に用いてきました。
中でも鳥はよくモチーフとして用いられ、植物と一緒に季節感を表す柄となっています。

架空の文様

架空の文様
中国からもたらされた鳳凰(ほうおう)、麒麟(きりん)、龍など想像上の動物の柄です。
理想を元にデザインされている、おめでたい柄です。
中国の影響を受けつつも日本的にアレンジされ、親しまれてきました。
ちなみに龍の着物を女性が着るようになったのは大正時代頃からだそうです。

自然文様

自然文様
自然の文様には、月、星、雨、雪、流水、波などがあります。
とらえどころのない自然ですが、美しくデザイン化されています。
自然文様は中国から伝わり、飛鳥・奈良時代から用いられました。
思想や信仰と深く結びついている文様です。
月に兎、流水に紅葉など、動物や植物と組み合わされることも多い文様です。

風景文様

風景を描いた着物の柄です。

器物文様(きぶつもんよう)

器物文様
身の回りにある道具・生活用具を文様化したものです。
扇、紙、楽器、舟などが器物文様にあたります。

物語文様(ものがたりもんよう)

源氏物語、伊勢物語のワンシーンを描いた文様です。

王朝文様(おうちょうもんよう)

平安貴族が用いた道具をデザイン化した柄です。
雅な雰囲気で晴れ着に用いらます。

正倉院文様(しょうそういんもんよう)

正倉院文様
奈良時代に建立された東大寺の倉庫が「正倉院」です。
聖武天皇(しょうむてんのう)ゆかりの品々が残されていることで有名です。
正倉院の染織品、正倉院に納められている宝物を文様化したものだけではなく、奈良時代に西アジア、中国の影響を受けた文様を「正倉院文様」と呼びます。
格式の高い文様で、帯に多く使われている文様です。
デザイン化されているので通年着ることができます。

有職文様(ゆうそくもんよう)

有職文様
「有職文様」とは、平安時代に貴族の服装や装飾品に用いられた文様のことです。
正倉院文様が、日本の風土に合うように変化した文様もあります。
デザイン化されているので通年着ることができます。

名物裂文様(めいぶつぎれもんよう)

「名物裂文様」は貿易品として鎌倉時代から江戸時代初期に中国経由で日本にもたらされたインドの更紗、東南アジアの染物品に影響を受けた文様のことです。
主に茶道で珍重され、掛け軸の表装、袱紗(ふくさ)などに使われました。
名物裂文様の中には地名、裂(きれ)の所有者にちなんだ独特の名前がついた文様があります。
格式ある文様ですが、現在では茶道だけでなく気軽なおしゃれ着の柄としても使われています。

光琳模様(こうりんもよう)

江戸時代の画家・尾形光琳の特徴的な画風を取り入れた柄で、江戸時代中期に大流行しました。

喪の柄

喪専用の柄としては、蓮、梵字(ぼんじ)、般若心経(はんにゃしんぎょう)などがあります。

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中嶋あや

東京女子大学・日本文学科卒業。 わたし自身、着物を着るときに「この柄、今の季節に着ていいの?」という悩みがありました。 そこで疑問に答える「着物の柄」サイトを作りました。 →管理人の詳しい紹介

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